2008年11月17日
ミスター・ムーンライト

むかし 君は僕に言ったね
「あなたは私の月よ」
その時はちょっと嬉しくて
でも後になって分かったのさ
僕は君の太陽にはなれないんだって
いつも君の周りを回る衛星なんだって
君が僕を中心に回ることはないんだ
君が僕を眩しく見つめることはない
僕は君の心を焦がすこともできない
そう 僕はいつも君の周りを回る月なんだ
君はいつも明るい日差しの中にいて
その灼熱に肌を晒す
その間は僕のことを思い出すこともない
でも 君が悲しみ涙を流すとき
泣き疲れて眠りについた時
君の濡れた頬を
微かに震える長いまつ毛を
優しい月明かりが照らしていることを
いつか気付いておくれ
そして その時は
濡れた瞳に僕を浮かべておくれ